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太陽光発電レポート

 
2008年4月12日改訂
2004年8月から屋根で太陽光発電を行っています。皆様の血税から補助金を頂きましたので、ご報告いたします。
エネルギー問題を考えたり、導入を判断する際の参考になれば幸いです。
発電量の推移図

発電量の現状

 まず、導入した発電装置はクボタのエコロニー(薄型アモルファスタイプ)で、最大出力は3,000Wです。屋根の傾斜角は水平から39°(10:8)、屋根の方角は南々西(西へ18°)です。年間を通して、影になることはありません。
 当然、日中は留守にしていることが多いため消費しきれず、余剰電力を東京電力に買ってもらっています。1日あたりの発電量、売電量などの推移を図1に示 します。数ヵ月に一度気まぐれで積算量を記録しているので、あくまでその前後数週間の平均値です。
 消費量ですが、節電に心がけているつもりですが、これまでの平均は17.2kWh/日です。わが国の一人あたりの家庭での電力消費量は4.26kWh/日なので、4人で17.2kWh/ 日というのは、ほぼ人並みということになります。押し上げている要因としては、言い訳がましいのですが、上水道ではなく井戸から電動ポンプで水を組み上げていることと、 合併浄化槽の曝気を行っていることが挙げられます。エコワットという電流計で測定したところ、それらが実に消費料の1/3を占めていることがわかりました(図2)。都市部では上下水道運転エネルギーとして家庭の外で消費されているエネルギーを家庭で消費していることになります。また、わが家は炊事を電磁調理器で行っており、これも一因と考えられますが、給湯と暖房が灯油なので、もっと少なくできるはずです。今後努力します。
 発電量は、冬が良く晴れる関東であることと、屋根の勾配が大きく太陽高度が低くても南中入射角が直角に近いこと、雪が滑り落ち易い(写真)ことなどにより、年間を通じておおよそ一定です。既に4年経過していますが、今のところ発電量の低下は見られません。パネルの劣化がなければこの程度の発電量が今後も期待できると思います。自給率(発電量/消費量)は50%弱で推移しています。 導入したからといって電力自給生活が実現するほどつつましい生活はしていないということです。消費量を少しずつ減らす努力も大事ですね。
roof

結局、元はとれるのか?

 子孫のためになるとはいえ、巨額の損をするようでは普及は期待できません。どうなのでしょうか。まず、初期投資ですが、補助金を差し引いて2,026,500円かかりまし た。

導入費
2,341,500円
国からの補助金
- 135,000円
つくば市からの補助金
 - 180,000円
実質個人負担
2,026,500円

パネル自体は半永久的とのことですが、約30万円するパワーコンディショナー(変換器)の保証期間は10年ですから、少なくとも30年の間に1回は交換が必要でしょう。つまり、この3kWシステムの場合、金利負担を除いたとしても約230万円かかります。一方、売電により、現在、平均して月に3,100円ほど回収できています。加えて、購入単価から自家消費分の費用を計算するとおよそ2,500円節約できています。合計で毎月5,600円の生産をしていることになるので、これで元をとるのにかかる年数はおよそ34年となります。実際には金利負担(それ自体は現金購入できたとしてもその分住宅ローンを多く借りることになります)もかかっているので、40年以上かかることになります。建物自体が40年ももつかどうかあやしいですので、結局、現在の電力価格が維持される限り、元はとれないことになります。かといって大損というほどではなく、まあ、たぶん50万円くらい明るい未来のためにカンパしたということになるのだろうと思っています。税金からの補助金の支出の根拠も、「みんなのためになることに個人のお金を出している(元がとれない)」という点にあるのだと思います。現時点では補助金を受けたとしても元がとれない(可能性が高い)のですから、国が補助金を廃止したのは不公正で、なおかつ子孫や京都議定書の国際公約に対し、無責任と言わざるを得ません。
 とはいえ、別にそのような未来を期待しているわけではないのですが、この先石油価格の高騰が続くか、気候変動が激しくなって高率炭素税導入への国民的合意が高まり、かつ原子力発電所新設への国民的合意がなされなければ(僕も合意していません)、電力価格が現在の倍くらいに上昇することはありえないことではないので、そうなるともっと早く元がとれることになります。

関連リンク:太陽電池生産トップ陥落 日本、国内市場低迷などで 昨年(東京新聞08/3/29)

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