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タブレット型PCを用いた会議のペーパーレス化のすすめ
2011年12月10日 藤巻晴行
多くの職場で今なお会議の度に厚い資料が配られている。もともとコンピュータで作成した電子ファイルをわざわざ印刷して配っているわけだから明らかに無駄であり、電子ファイルのまま配布し、タブレット型PCなどの低電力消費型ポータブルコンピュータで閲覧、書き込みするようにしてはどうか。
砂金らのライフサイクルアセスメントに基づいて試算すると、A4のコピー用紙には印刷に要する資源投入も含め、1枚あたり約10gのCO2が排出される。会議1回あたりの配布枚数が20枚だとすると、一人あたり約200gのCO2が排出されたことになる。一方、私が最近購入した7インチ画面のタブレット型PC(Lenovo IdeaPad A1)を例に取ると、文書閲覧/編集時の消費電力はわずか8W程度1)なので、排出係数を0.4 (gCO2/Wh)、会議が2時間とすると、(8x2x0.4=)6.4gとなり、わずか1/30に節減できる2)。
電子媒体での資料配布には、CO2削減以外にもカラー化費用がゼロ、ハイパーリンク、保管に場所を取らない、など様々な利点がある。タブレット型PCの低価格モデルはもはや2万円を切っている。各職場で会議のペーパーレス化をぜひ進めてほしい。
1) 約2時間半使用(動画再生なし、主にウェブサイトもしくはpdf文書閲覧)した後に充電した際の消費電力をエコワットで測定したところ、0.02kWhだった。最小表示が0.01kWhなので、0.015-0.025kWhの間とみることができ、2.5hで除せば6-10Wと評価できる。
2) 厳密にはタブレット型PCの製造に要するCO2排出も考慮する必要がある。iPad2のそれは75kgと発表されているが、それよりも安価で小型のタイプは70kg程度と推定していいのではないかと思う。1回の会議の削減量が0.2kgとして、70kgを節減するためには350回の会議に使われなければ削減効果が現れないことになるので、会議のペーパーレス化のためだけに購入するのであればなかなか正味の効果は得られない。既に保有している職員はタブレットを使用し、まだ保有していないがラップトップPC(消費電力50W程度)を使っている職員はラップトップPC、どちらも保有していない職員は自分で印刷して持参、といった移行措置が妥当かと思う。