駐車場に樹を植えよう

 
 
 つくば市の特徴の一つは人口あたりの駐車場面積が大きいことである。そこで、事業所や商店の大型駐車場にケヤキなどの街路樹を植え、炭素固定を図ることを提案する。ケヤキなどの街路樹は地上2mまでの占有面積はきわめて小さく、配置を工夫すれば駐車場としての機能をほとんど損なうことはない。今後、乗用車の台数減少や小型化が進むにつれ、植樹は益々容易になると期待される。炭素固定量は、対象とする駐車場面積を4.6平方キロメートル、ヘクタールあたり吸収量を年間1tとすると、年間460tとなる。その他にも、夏期の日射を遮ることによるカーエアコンの出力節減による排出削減効果が年間50t程度、気化潜熱による地域冷却による建物内のエアコンの出力節減により年間150t程度期待でき、合わせて現在のつくば市の排出量の約0.2%の削減効果を有すると期待できる。これはレジ袋全廃よりも大きい。 費用については、1aにつき1本とし、アスファルト除去工事および苗木代に1本あたり1万円かかったとすると、4.6億円となる。50年間効果が持続すると仮定すると、炭素1tあたり約6,860円であり、他の削減策と比べても遜色ない。秋の落葉の収集コストも考慮する必要があるが、暖房の熱源として利用できることから正味ゼロと考えてよいだろう。景観向上効果も考慮すれば、十分財政支出の価値があろう。

2008年6月 第2回つくば3Eフォーラム会議におけるポスター発表PDF(数値はその後の研究の進展により修正)

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